歯科会計ブログ

歯科会計の節税決算

2023.10.06ブログ

節税対策として各種の対策が紹介されています。ほとんどの節税対策が資金支出をともなう課税の繰延対策です。歯科に適用できる対策もありますが、節税商品による対策の前に会計処理による節税対策(資金支出をともなわない対策)を検討して下さい。

1.自由診療の計上基準を検討する

自由診療の税務上の収入確定基準は、治療完了です。よって、治療完了をどの時点にするかにより収入を早く確定するか、遅く確定するかということになります。税務上は収入確定が遅いほど節税になります。自由診療の収入確定の時期は、各診療所と患者さんとの契約や会計処理により異なる場合があります。

治療上の完了時期としては、早い順番からいくと、患者さんとの契約申込時、契約確定時、治療前入金時、補綴物決定時(発注時)、補綴物セット時、治療完了後入金時等です。

治療上の各完了時期のうち税務上での収入確定時期の原則は、補綴物のセット時(セット基準)です。遅くとも補綴物のセット時までに収入確定として下さいということです。

よって、治療完了後の治療費入金時を収入確定としている場合は、決算時(税務上の収入確定締日)前にセットして、決算後に入金があった場合には、決算前の収入として確定する必要があります。

逆に、治療前入金時や、セット前に収入確定している場合には、税務上は認められますが税金上は、税金は早めに納付したと同様のことになります。

補綴物以外でも、矯正治療、インプラント治療においても同様のことが言えますので患者さんとの契約を基本として自医院の収入基準と会計処理を一致させておくことが節税対策となります。

2.経費の計上基準は月末締とする

経費の確定については、支払時を基準としている場合は多いと思いますが、税務上は経費に係る納品やサービスの提供完了時が原則です。よって、納品やサービスの完了後に請求書がきて、支払をする場合は、一番早い経費確定の日は、納品、サービスの完了時です。ただし、経費集計の事務処理を考慮すると請求書による支払が簡便なので請求書受取時とすることが合理的です。

さらに、請求書の集計期間は通常、月単位ですが締日(集計期間終了日)は、10日締、20日締、25日締等業者により異なる場合があります。一番早い経費確定日(節税対策上有利な日)とするためには、月末締とすることが有効です。

3.消耗品、少額器具等の購入価格の留意点

診療材料以外の消耗品、少額機器については、購入金額により経費処理とするか、分割経費(減価償却)とするか税務上の基準があります。経費処理できる金額で購入すると早めに経費計上することができます。

その基準は1個当たりの金額ががく10万円未満(一括経費)、10万円から30万円未満(一括経費、年間限度額300万円)、30万円超(分割経費)です。各基準前後の購入金額の場合には、購入業者との打合せが必要です。