歯科会計特化道場

歯科特化への道~診療収入分析(患者データ表)

2024.05.13

オーナー経営者の会計に対する興味の中心は利益と資金繰が中心です。歯科医師も同様ですが、会計数値への理解が一般経営者よりもなじみがないので、利益の源泉である診療収入にあることが多いように思います。そこで、歯科医師への会計報告は診療収入を中心とすることが有効です。さらに診療収入の説明を歯科医師側の尺度である保険要素(レセプト件数、レセプト点数)によることで歯科特化の特徴が打ち出せます。

診療収入の説明ツールとしての患者データ表

具体的に診療収入の説明ツールとしてあげられるのが、毎月の診療収入要素をもとに作成する「患者データ表」です。患者データ表は診療収入金額を保険算定要素である診療日数、実日数、1回診療点数、月回数等により説明するものです。さらに、患者数データとして、初診数(新規数、再初診数、再診数)、自由診療収入を加えて毎月の診療収入合計を表します。

患者データ表活用の前提

患者データ表による診療収入の説明方法は、比較法が中心となるため前年の患者データ、年間計画等データを準備しておくことが大切です。

また、患者データ作成が毎月適時に行われるために、患者データの作成元に信頼性があり、会計数値と連動していることが重要です。

患者データ表の具体的活用法

第一は、当月の診療収入の状況を患者データをつかって適時に説明することです。説明する時期が遅くなったり、数値に信頼性がないと意味がなくなりますから注意が必要です。

第二には、患者データ表から今後の診療収入の状況を読み取り、診療収入の状況による事前対応を提案することです。

第三は、毎年の患者データ表を蓄積していくことにより、個々の診療所の診療収入増減の記録となり、診療収入の変化への対応策の分析資料となります。