歯科会計ブログ

歯科会計の経営分析

2023.02.15ブログ

経営分析は、自己の経営内容を分析して更なる成長・発展を目的として行うものです。具体的には、各種の経営数値を過去の数値、平均数値等と比較して行います。ここで重要なことは、分析結果により改善策、成長策が見極められることです。そのためには、経営分析に採用する経営数値、分析数値が有効なものである必要があります。

歯科会計の経営分析の場合には、収入の分析には患者データ、経費の分析には同規模歯科医院の平均数値を用いることが有効です。特に、収入分析は金額データのみによることなく歯科特有の原単位(1回点数、実日数等)を活用することが重要です。

1.診療収入分析は患者データを活用

診療収入のうち保険収入については、保険請求の基準が統一されているので患者データを活用しての分析が有効です。

患者データ分析に加えて、地域別の患者データやユニット数別の患者データを加味するとさらに具体的な分析が可能になります。

自由診療については、統一的なデータがありませんので自医院の治療内容別のデータや他医院の治療内容別のデータを用いて今後の自費治療メニューの充実を図ることを検討して下さい。

2.経費分析は診療規模に応じて分析

診療収入に関連して発生する外注技工料、診療材料については診療規模(ユニット台数、歯科医師数等)を基準にして診療収入にたいする比率により分析することが有効です。

それ以外の経費項目については固定的に発生するものがほとんどですから診療規模を基準とした金額による分析が有効です。

ただし、給与等の人件費については、現状の診療体制のもとでの適正配置の人員数の標準給与額により人件費予算を作成しての分析をお勧めします。診療収入による金額や比率を基準にしてしまうと診療収入が採算点に達していない場合は、人件費を抑制する判断になりがちで、診療収入の伸びも抑制する方向になってしまう場合があります。